【2026】産業廃棄物の廃プラスチックとは?定義や処理方法を解説!

「この製造工程から出た廃棄物は廃プラスチック類?」
「廃プラスチック類は産業廃棄物?」

製造や物流の現場で日々働いていると、このような疑問を持つことはありませんか?
産業廃棄物の「廃プラスチック類」は、日常的に発生しています。


また、廃プラスチック類は、可燃物ごみや金属くずなどとは別に分別していますよね?

その理由として、廃プラスチック類は近年、社会問題となっており、廃棄物処理法に従って厳格に処理する必要があるためです。


筆者が過去に所属していた金属加工の製造現場では、製品を載せる容器や包装時に使用するPPバンドなど、多くの種類の廃プラスチック類を廃棄していました。

会社としてコンプライアンスを遵守する必要があるため、産業廃棄物の業者の選定から管理まで、専門部署を設置して対応していました。
筆者が勤めていた会社においても、産業廃棄物の廃プラスチック類の処理は重要課題となっています。


本記事では、この重要な産業廃棄物の特に廃プラスチック類について、定義や種類、処理方法について詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。

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目次

産業廃棄物における廃プラスチック類の定義と種類

不要になったり、破片を処分する際に廃棄するプラスチックを産業廃棄物用語では「廃プラスチック類」と呼びます。
ご自身の扱う廃棄物が産業廃棄物?廃プラスチック類?かどうか皆さん気になりますよね?

ここでは、産業廃棄物の定義や廃プラスチック類の種類について紹介します。

産業廃棄物は企業から?一般廃棄物は家庭から?

廃棄物は産業廃棄物と一般廃棄物に分類されます。

産業廃棄物は、事業活動を通して企業より発生する廃棄物を指し、20種類が該当します。
廃プラスチックもその中に分類されます。

それ以外の廃棄物は一般廃棄物になります。

<産業廃棄物一覧>

廃プラスチック類包装材、成形品くずなど
汚泥製造・排水処理の沈殿物
廃油機械油、切削油など
廃酸・廃アルカリ酸・アルカリ性の廃液
燃え殻焼却炉の灰
くず類ゴムくず、金属くず、ガラス・コンクリートくずなど
動植物性残さ紙くず、木くず、繊維くずなど

様々な廃プラスチック類の種類

「廃プラスチック類」は包装容器、衣類、工業製品、廃タイヤなど、多くに使用されています。

産業界では容器の変形や樹脂製品を成形する時の破片など、多くの不要物が生まれ、大量に廃棄する必要があります。

また、廃棄されるプラスチックの材質も以下の通り、複数の種類があります。

  • ポリプロピレン(PP)
  • ポリエチレン(PE)
  • 塩化ビニル樹脂(PVC)
  • ポリスチレン(PS)

廃プラスチック類をリサイクルすべき理由

廃プラスチック類はそのまま放置したり、燃やしたりすると環境的に問題が発生します。

筆者が勤めていた会社では、コンプライアンスに厳しく、誤った処理や流出の恐れがないように、社員への教育を徹底していました。

そのため、廃プラスチック類は極力リサイクルする必要があります。
ですが、リサイクルする必要が本当にある?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、廃プラスチックをリサイクルすべき理由について紹介します。

廃プラスチック類は自然に分解しない

廃プラスチック類は、有機物のように微生物や紫外線により分解できません。
理由としては、プラスチックは人工的な高分子化合物であり、結合力が強いためです。

海に捨てるのは汚染リスクが高い

廃プラスチック類は世界中で800万トン以上、海に流出しています。
このままいくと、2050年には海洋中のプラスチックの重量が魚の重量を超え、国際的な課題となっています。

劣化した廃プラスチック類はマイクロプラスチックと呼ばれるサイズに微細化されます。
微細化されたマイクロプラスチックは有害で、海に住む生物の身体に取り込まれると、死に至ることもあります。

国内で処理する必要性が高まっている廃プラスチック類

日本では廃プラスチック類の処理を海外にも輸出し、処理してきました。
しかし、海外の情勢が変化したことで、より日本国内で廃プラスチック類を処理する必要性が高まってきています。

ここでは、海外情勢の変化について詳しく解説します。

海外における廃プラスチック類の輸入規制

廃プラスチック類は中国や台湾、東南アジアに輸出してきました。
ですが近年、これらの国々が次々に輸入を禁止しています。

そのため、国内で廃プラスチック類を処理する量が増加したことで、より国内での適正な処理が必要となっています。

【バーゼル法】廃プラスチック類の輸出入を厳格化

バーゼル法の正式名称は「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」です。

この法律は2021年に改正され、リサイクルが困難な産業廃棄物の廃プラスチック類が、新たに輸出入の規制対象となりました。

廃プラスチック類の輸入国や通過国の同意を得なければ、輸出できなくなってしまいました。

この法改正によっても、より国内での適正なリサイクルが求められます。

廃プラスチック類における3つのリサイクル方法

ここまで、廃プラスチック類に対し、国内でリサイクルすべき理由を話してきました。
ですが、ご自身の所属される会社から出る廃プラスチック類に、

  • どのようなリサイクル方法があるか?
  • リサイクルする際の注意点?

について、皆さん気になりますよね?

廃プラスチック類は種類が多いため、それぞれに必要なリサイクルをすることが重要です。
筆者が勤めていた会社でも、何十社もの廃棄業者と取引していました。

ここでは、代表的な3つのリサイクル方法について解説します。

  • マテリアルリサイクル
  • ケミカルリサイクル
  • サーマルリサイクル

【マテリアルリサイクル】は別のプラスチック製品に活用

マテリアルリサイクルとは、廃プラスチック類を別のプラスチック製品に再利用する方法です。
特徴として、比較的低コストで利用できますが、汚れた廃プラスチック類に活用することは困難です。

マテリアルリサイクルは、衣類や包装用トレイ、コンテナなど作る材料に活用されています。

【ケミカルリサイクル】は化学的に処理

ケミカルリサイクルは、廃プラスチック類を化学処理し、別の化学製品に再利用する方法です。
特徴として、多くの再利用方法がある一方、コストが高くなってしまうのがデメリットです。

高炉の還元剤やガス化して化学原料の生成、油化して燃料化するなどの再利用方法があります。

 【サーマルリサイクル】は熱エネルギーを回収

サーマルリサイクルは、廃プラスチック類を燃やした際に発生する熱エネルギーを再利用する方法です。

特徴として、マテリアルリサイクルでは再利用困難な汚れた廃プラスチック類にも利用できます。
ただし、サーマルリサイクルを行う際は、ダイオキシンなどの有害物質が発生するため、排出を防ぐ対策が必要です。

廃プラスチック類を燃焼させることで発電や温水利用したり、固形燃料化にしたりするなどの方法があります。

廃プラスチック類をリサイクル・処分する際の注意

前述のとおり、廃プラスチック類のリサイクル方法についても説明しました。
ですが、社会問題の大きい産業廃棄物の廃プラスチック類をリサイクルするには、
注意点も多そうですよね。

筆者が過去に所属していた企業でも、部長以上の会議で、処理業者の選定や環境への影響など、注意事項を確認するぐらい重要なことなんです。


ここでは、産業廃棄物の廃プラスチック類をリサイクル・処分する際の注意点について説明します。

一般廃棄物としての廃棄は絶対NG

産業廃棄物の廃プラスチック類を可燃ごみや資源ごみなど、一般廃棄物としては捨てられません。

一般廃棄物として捨てようとした場合、不法投棄となってしまいます。

また、産業廃棄物を処分するには、都道府県知事から「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処分業」の許可が必要です。

産業廃棄物の廃プラスチック類は専門業者に委託したほうが良いでしょう。

廃プラスチック類の汚れを取り除く

リサイクルは100%再利用できません。
そのため、リサイクル率というものがありますが、汚れが付着していると、このリサイクル率が低下してしまいます。

廃プラスチック類を業者に引き取ってもらう前に、できる限り汚れを取り除いた状態で引き渡しましょう。

【マニフェスト(産業管理票)】電子マニフェストがおすすめ

国内では、高度成長期からバブル期(1950年代〜90年代初頭)、産業廃棄物の不法投棄が社会問題になりました。
そのため1993年に、廃プラスチック類が適切に処理されたか確認するための、「マニフェスト」(産業廃棄物管理票)と呼ばれる伝票の準備が義務化されました。

この伝票は産業廃棄物の排出事業者、収集運搬業者、中間処理業者それぞれ、指定のフォーマットに必要事項を記入し、5年間保管するルールとなっています。

マニフェストの規定に従わなかった場合、廃棄物処理法違反とみなされ、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられてしまいます。

このマニフェストは元々紙媒体で行っていましたが、1998年に「電子マニフェスト」が導入されました。

紙マニフェストでは、事務処理や紙媒体の準備にランニングコストがかかり、電子マニフェストでは簡略化して対応できます。

筆者も過去、紙マニフェストと電子マニフェストを扱ったことがあります。
作業面、管理面において、電子マニフェストのほうが、かなり簡易的に対応できます。

紙マニフェストは手書きでかなり長い文字数を記載する必要があります。
また、この写しを収集運搬業者、中間処理業者に手渡ししていました。

電子マニフェストはこれらの手間が省け、PCでのデータ入力のみで完了し、データの閲覧も可能でした。

ただし、電子マニフェストは初期費用がかかり、すべての業者が扱っていないのが現状です。

 まとめ

廃プラスチック類の種類や処理の必要性、処理方法を解説しました。

産業廃棄物の廃プラスチック類は適切な処分が必要となります。
また、廃棄物処理法を遵守しながら企業活動を行ったり、廃棄費用を抑えるためにも、処理業者の選定は重要です。

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この記事の監修

産業廃棄物処理業界歴18年。化学工場や食品工場等から排出される試薬や廃油など特殊な廃棄物を中心に実績多数。処分先が限られる廃棄物やリサイクルのご相談も可能。

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